プロジェクト概要
内部被ばく検査は、行政機関主導で実施された大規模な検査になります。内部被ばく検査は、ホールボディカウンター(WBC)装置による体外計測法が主体です。この内部被ばく検査は、福島県全域で被災住民の内部被ばく線量低減だけでなく、リスクコミュニケーションの一部として活用されてきました。しかしながら、事故から15年以上経過し、内部被ばく検査の全体像を総括する活動は、未実施のままになります。また、2017年にEUの研究プロジェクトの報告の中で放射線防護行為に追加して、被災住民の全般的なWell-beingの向上に社会経済的、心理的側面にも取り組むことが重要とされてきました。ここから、福島第一原子力発電所事故での内部被ばく検査は、国際的な観点から、行政機関や専門家による被災住民への社会経済的、心理的問題について、どの程度考慮されていたのか、総括的に評価が必要になります。よって、本研究は、福島第一原子力発電所事故での内部被ばく検査について、社会経済的、心理的な側面を中心に、被災住民へ行政機関や専門家がどのように関わってきたのか、全体像を総括する事を目的とします。
内部被ばく検査に関して、本研究が参加とする集団は、被災住民、行政機関、WBC運用管理者、専門家(リスクコミュニケーション:リスコミ実施者)の4者となります。本研究計画は、この参加集団の4者に対して、下図のように、A)福島における内部被ばく検査の実態調査は、被災住民へ聞き取り調査やアンケート調査、自治体/医療機関の職員への聞き取り調査の2パターンで実施します。他に、B)内部被ばく検査の運用調査は、福島県内のWBC装置の運用管理体制把握や内部被ばく検査実施マニュアルの調査を実施します。C)内部被ばく検査に関わる専門家の活動調査は、専門家のリスコミ活動の全体像を透明化します。これらの調査を通して、本研究は、内部被ばく検査の全体像を明らかにするとともに、社会経済的、心理的側面がどのように関わってきたのか、成果を報告します。
事業概要図